■講演抄録
『やれる、やれんかじゃない、誰がやるか… が、問題なんだ! 』
これは6年前に僕が監督をしたトヨタ自動車創業者映像の中の台詞の一節である。豊田
喜一郎は、成功の可否を問うよりも自分の信念を問うことで、国産自動車の開発を決意
し、およそ四半世紀後に国産自動車工業の創生という偉業を成し遂げた。平凡な僕では
あるが、自分の人生を振り返るとき、この言葉の意味の大切さを改めて思うのである。
僕がクリエイティブ業界に入ったのは28歳の時である。シナリオや演出等の勉強などしたこともない一介の工場作業員であった僕は、ただひたすらに新しい仕事と向き合うことで30代を駆け抜けてきた。今は制作会社の経営者という立場で、若者たちと共に新たな夢に向かって走り始めている。知識や経験、実績などというものは後からついて来るもの…、自分が想い、歩み出すことから全てが始まることを、後輩の皆さんに伝えたい。
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