■講演抄録
私は今から27年前、高校の模擬試験や実力試験で思うような成績が出せず、大学受験も一浪し、大きな不安を感じていた。それが研究者という道を選んだことで、少しずつ自信を取り戻していったように思う。
研究者にとって最も重要なことは独創性ということ。既に確立した法則に挑む勇気、未知なるものを明らかにする情熱、このような観点から、サイエンスと芸術は大きくオーバーラップしている。研究には、自ら問題を発掘し、それをどのように解くかという独創性が必要だ。与えられた問題を解くのとは全く別の能力で、受験勉強で劣勢の諸君こそ、その能力に富んでいるかもしれない。
授業では、私の研究「液体のミクロな構造の解明」に関するデモンストレーションを見ていただきたい。新たな液体のサイエンスを感じていただけたら嬉しい。生体内のDNAの複製メカニズムの解明、環境中のVOCの削減など、液体のサイエンスに対する期待は大きい。
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