■講演抄録
地上から100km以上の高さは宇宙だとされているが、多くの人は、そこは無重力で真空で冷たい世界だと思っている。しかし実際には重力があり、僅かながらも空気があり、かなり熱い世界である。この宇宙の真の姿を簡単に紹介する。特に重力に関しては一見無重力になる仕組みについても紹介し、また、現在では科学者の間では、「無重力」ではなく「微小重力」という言葉が使われている理由を紹介する。
次いで、この微小重力を簡単に作り出す方法や、スペースシャトルのような本格的に微小重力を実現する手段を紹介する。最後にシャトルや宇宙ステーション等で撮影された物質の挙動を紹介し、微小重力によって物の比重差がほぼ消失するために発生する、地上の常識とは異なる奇妙な振る舞いを楽しむ。以上により宇宙環境に興味を持ってもらいたい。
|