■講演抄録
槇文彦氏と黒川紀章氏 この二人は世界に活躍している建築家です。最近の作品を取り上げてみましょう。
黒川紀章氏は「ヴァンゴッホ美術館新館」や「豊田スタジアム」等 あり、福井では福井市美術館「アートラボ」と、「福井県立恐竜博物館」です。
槇文彦氏は「幕張メッセ」や「テレビ朝日」「朱鷺メッセ:新潟コンベンショナルセンター」等あり、福井では「福井県立図書館」です。今も世界各地で二人の設計プロジェクトが現在進行しています。
幸いなことに、この両氏の設計「恐竜博物館」と「図書館」の建築プロジェクトに、施工(実際に造る)の立場で携わりました。原設計からスタートし、様々なスタデイを重ね、詳細な図面のやりとりやデイスカッション、模型製作―それは縮小模型から、実際の材料で実物大の模型を何種類も作り―、様々な角度から検証し決定し造っていく。(完成を想像することですから、創造=想像かもしれません)造っていく間もスタデイを重ね、さらに磨き上げていく。設計と造り手側が一体となり、建物が形作られていきます。素材、工法、技術のさまざまな要素を、状況に応じて計画し、組み直していくその積み重ねです。それは膨大なエネルギーを要します。
しかしながら、建物が完成し、実際の空間を体感し、手で素材感を確かめ、声の響きに
耳を澄し、さらに木々の新緑が風でそよぎ、人々が活動している様を見るとき、それは、
まさしく「歓び」を感じます。
|